片付け業者の資格・許可は何を見ればいい? 作業ごとの許可と、自治体の名簿での確かめ方
結論
見るべきは「出たごみを、だれが運ぶか」です。 家庭のごみを業として運べるのは、実家のある区域の市区町村長から一般廃棄物の収集運搬業の許可を受けた業者か、市区町村の委託を受けた者などです(※S50・S51)。 産業廃棄物の許可や古物商の許可では、家庭のごみは回収できません(※S52)。買い取りをするなら古物商の許可が別に要ります(※S54)。業者の名前と許可の番号を、実家のある市区町村の名簿で照らしましょう。この記事が合う人
- 実家の片付けを業者に頼もうとしていて、ホームページの資格や許可の見方が分からない人
- 遺品整理業者から「提携の業者が運ぶ」と言われた人
- 片付けと一緒に買い取りもしてもらいたい人
合わない人(別の記事・窓口へ)
- 自分で片付けて、市区町村の粗大ごみや持ち込みで出す人(市区町村の案内へ。業者の許可を確かめる必要はありません)
- すでに業者とトラブルになっている人(消費者ホットライン「188」へ)
よく見る表示の読み方
| ホームページの表示 | 何の許可・資格か | 家庭のごみを運べるか | どこで確かめるか |
|---|---|---|---|
| 一般廃棄物収集運搬業 許可 | 市区町村長が出す、ごみを集めて運ぶための許可(※S50) | 許可を出した市区町村の区域で、許可の範囲(家庭のごみ・品目)の内なら運べる。範囲は業者ごとに違う(※S50・S59・S61) | 実家のある市区町村の名簿(家庭のごみ・片付けの欄) |
| 産業廃棄物収集運搬業 許可 | 都道府県知事が出す、事業所から出る産業廃棄物のための許可(※S50) | 運べない(※S52・S64) | — |
| 古物商 許可 | 都道府県公安委員会が出す、中古品の売り買いのための許可(※S54) | 運べない(※S52・S64) | 許可証・行商従業者証(買い取りをするとき) |
| 遺品整理士 | 民間の資格。協会によると、遺品の扱いや関係する法規などを学んで認定される(※S66) | この資格でごみを運搬・処分することはできない(広島市の案内)(※S64) | — |
| 「正規登録業者」など | — | このような表示では回収できない(北九州市の案内)(※S65) | — |
名簿で確かめる手順(手帖のおすすめ)
- 実家のある市区町村の「一般廃棄物収集運搬業 許可業者」の名簿を探す。許可は区域を管轄する市町村長が出すので、業者の本社がある市ではなく、ごみを集める場所の市区町村の名簿を見ます(※S50)
- 名簿が家庭のごみ用か、片付けに関係する欄があるかを見る。例えば横浜市の一覧(2026年9月1日時点)には、許可番号と、「一時多量ごみの収集運搬」「不用品などの片付け作業」の欄があります(※S59)。長野市の家庭用の一覧(2026年4月3日現在)には「家庭一時多量ごみ」の欄があります(※S61)
- 業者の名前と許可番号を照らす。名簿には時点があるので、古いときは市区町村の担当課に確かめる(※S61)
- 頼む業者が許可を持っていないなら、「出たごみを運ぶのはどの許可業者か」を聞き、その名前で照らす。横浜市は、出す人と許可業者が直接契約すること、その手続きを遺品整理業者に任せられることを案内しています(※S60)
- 「許可業者と提携している」とだけ言う業者には注意する。提携をうたって、実際には無許可の業者が運ぶ例を、広島市・北九州市が挙げています(※S64・S65)
作業ごとに、関係する許可
| 作業 | 関係する許可・決まり | 確かめ方 |
|---|---|---|
| 仕分け・梱包(家の中の作業) | この作業そのものに要る公的な許可を定めた資料は、手帖では見つけられませんでした | 作業の範囲と残す物を、見積書と契約書に書く |
| ごみとして運び出す・運ぶ | 一般廃棄物の収集運搬業の許可、または市区町村の委託など(※S50・S51) | 実家のある市区町村の許可業者の名簿で照らす |
| テレビ・エアコンなどの家電 | ほかのごみとは別の扱い。さいたま市は、特定家庭用機器(テレビ・エアコン・冷蔵庫・冷凍庫・洗濯機・衣類乾燥機)は別の許可が要ると案内しています(※S62) | 名簿の家電の欄を見る(例:長野市の「特定家庭用機器」、さいたま市の「家電リサイクル品目」)(※S61・S62) |
| 買い取り | 古物商の許可(※S54) | 許可証か行商従業者証を見せてもらう(※S15・S54) |
| 残す物を親族の家などへ有償で運ぶ | 自動車で他人の貨物を有償で運ぶ事業には、貨物自動車運送事業法の決まりがあります(軽自動車で行う事業は別の区分)(※S68) | 運ぶ物がごみか、残す物かを分けて見積もってもらう |
決まりの詳しい中身
- 呼び方の違い:環境省や国民生活センターの案内では「一般廃棄物処理業の許可」、法律や自治体の名簿では「一般廃棄物収集運搬業の許可」と書かれています。集めて運ぶ「収集運搬」と、燃やすなどの「処分」は、別の許可です。(※S50・S52・S15)
- 一般廃棄物(産業廃棄物以外の廃棄物)の収集・運搬を業として行うには、その区域を管轄する市町村長の許可が要ります。ただし、市町村の委託を受けた者や、再生利用の目的となる物だけを扱う者などは除かれます(廃棄物処理法 第7条第1項・施行規則 第2条)。(※S50・S51)
- 許可を受けた業者は、市町村の条例で決まった手数料に相当する額を超える料金を受け取ってはならず、ほかの人に委託したり、名義を貸したりしてはならないと決められています(廃棄物処理法 第7条第12項・第14項・第7条の5)。(※S50)
- 許可なく業として一般廃棄物を収集・運搬した者には、5年以下の拘禁刑もしくは1千万円以下の罰金(またはその両方)の決まりがあります(廃棄物処理法 第25条)。(※S50)
- 古物の売り買いの営業には都道府県公安委員会の許可が要り、行商をするときは許可証を、その従業者は行商従業者証を持ち歩き、取引の相手に求められたら見せなければなりません(古物営業法 第3条・第11条)。(※S54)
古物商の許可の確かめ方
2024年4月1日から、古物商は自社のウェブサイトに、氏名または名称・許可をした公安委員会の名前・許可証の番号を載せることになりました(従業員が5人以下などの除外あり。インターネットで取引の申し込みを受ける古物商は除外されません)。(※S55) インターネットで取引する古物商のうち届出をした人は、公安委員会のサイトの一覧に載りますが、愛知県公安委員会は、許可を持つ人が全員載るわけではなく、載っていなくても直ちに違反ではないこと、載っていても取引の信用を保証するものではないことを案内しています。(※S57) 出張で買い取ってもらうときは、国民生活センターの助言どおり、古物商の許可証か行商従業者証を見せてもらいましょう。(※S15)
こんな広告・説明に注意
- 「定額パックで全部込み」「追加費用なし」と表示しながら、申し込んだあとに処分費などの名目で追加料金を求めた事業者を、消費者庁が2022年6月に注意喚起しています。(※S67)
- 北九州市は、「無料」と言われても、運送費や手数料などの名目で払うなら、家庭のごみの回収にあたると案内しています(2026年2月18日更新)。(※S65)
- 環境省は、大きな音で巡回する・空き地で回収する・チラシやネット広告で集める無許可の業者の例を挙げ、分からないときは市区町村に確かめるよう案内しています。(※S52)
業者に聞くこと
片付け業者に聞くこと
- 出たごみを運ぶのは、どの会社ですか。実家のある市区町村の名簿に載っている会社名と許可番号を教えてください
- その会社は、名簿の家庭のごみ(一時多量ごみ・片付け作業など)の欄に当てはまる許可ですか
- 運ぶ会社と、私が直接契約しますか。契約書と見積書は、どの会社の名前で出ますか
- 「提携している許可業者」なら、その会社名と許可番号を教えてください
- 買い取る物・ごみとして運ぶ物・残す物を、見積書で分けて書いてもらえますか
- 買い取りもする場合、古物商の許可証(または行商従業者証)を見せてください
印刷やスクリーンショットで、そのまま使えます。
聞いた答えを並べて比べる
2社以上に聞いたら、許可と契約の答えを次の項目で並べましょう(手帖のおすすめ)。金額の項目の並べ方は「実家の片付け見積もり、総額だけで比べていませんか?」にまとめています。
| 比べる項目 | A社 | B社 |
|---|---|---|
| ごみを運ぶ会社・許可番号(名簿で照らしたか) | ||
| 契約の相手(直接契約か) | ||
| 残す物の扱い・立ち会い |
残す物を業者にどう伝えるかは、「実家の片付けで「残す・処分・保留」を家族に伝えるには?」で、物に印を付ける方法と一覧のひな形をまとめています。
次に確かめる先
制度・手続きを確かめる(公的な窓口)
- 実家のある市区町村のごみの担当課:許可業者の名簿・粗大ごみや持ち込みの出し方(例:横浜市の名簿 ※S59、長野市の名簿 ※S61)
- 実家のある市区町村の空き家・遺品整理の案内:遺品整理に対応する許可業者の一覧を出している例があります(さいたま市 ※S62・船橋市 ※S63)
- 消費者ホットライン「188」:業者とのトラブルなど、困ったとき(※S15)
出典と確認日
- ※S15 国民生活センター 見守り新鮮情報 第525号「遺品整理を頼むときは、事業者選びは慎重に」(2025年10月30日) https://www.kokusen.go.jp/mimamori/mj_mailmag/mj-shinsen525.html (確認 2026-10-25)
- ※S50 e-Gov 法令検索 廃棄物の処理及び清掃に関する法律 第2条・第7条・第7条の5・第14条・第25条 https://laws.e-gov.go.jp/law/345AC0000000137 (確認 2026-10-25)
- ※S51 e-Gov 法令検索 廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行規則 第2条 https://laws.e-gov.go.jp/law/346M50000100035 (確認 2026-10-25)
- ※S52 環境省「廃棄物の処分に『無許可』の回収業者を利用しないでください!」 https://www.env.go.jp/recycle/kaden/tv-recycle/qa.html (確認 2026-10-25)
- ※S54 e-Gov 法令検索 古物営業法 第2条・第3条・第5条・第11条・第12条 https://laws.e-gov.go.jp/law/324AC0000000108 (確認 2026-10-25)
- ※S55 警視庁「古物営業法の一部改正について(令和6年4月1日施行)」 https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/tetsuzuki/kobutsu/kaisetsu/kobutu_eigyo_r6.html (確認 2026-10-25)
- ※S57 愛知県公安委員会「ホームページを利用して取引を行う古物商」(令和8年10月2日現在) https://www.pref.aichi.jp/police/koan/kobutu/index.html (確認 2026-10-25)
- ※S59 横浜市「一般廃棄物処理業者名簿」・許可業者一覧表(令和8年9月1日時点) https://www.city.yokohama.lg.jp/business/bunyabetsu/gomi-recycle/ippan/i-syorigyo/kyoka.html (確認 2026-10-25)
- ※S60 横浜市「遺品整理や家の片付けを業者に依頼する際の注意点」(2024年9月27日更新) https://www.city.yokohama.lg.jp/kurashi/sumai-kurashi/gomi-recycle/chui/ihinkaisyuu_tyuui.html (確認 2026-10-25)
- ※S61 長野市「(家庭用)長野市一般廃棄物収集運搬業許可業者一覧」(令和8年4月3日現在) https://www.city.nagano.nagano.jp/site/kateigomi/23143.html (確認 2026-10-25)
- ※S62 さいたま市「遺品整理に係る不用品の処分について」(2026年6月22日更新) https://www.city.saitama.lg.jp/001/006/010/003/p125526.html (確認 2026-10-25)
- ※S63 船橋市「空家等の家財整理・遺品整理をお考えの方へ」(2025年4月1日更新) https://www.city.funabashi.lg.jp/machi/juutaku/009/p107391.html (確認 2026-10-25)
- ※S64 広島市「家庭ごみの処分に無許可の回収業者を利用しないでください!」(2025年6月30日更新) https://www.city.hiroshima.lg.jp/living/gomi-kankyo/1021277/1003072/1026095/1026096/1008431.html (確認 2026-10-25)
- ※S65 北九州市「家庭ごみの処分に『無許可の回収業者』を利用しないでください」(2026年2月18日更新) https://www.city.kitakyushu.lg.jp/contents/00800219.html (確認 2026-10-25)
- ※S66 一般財団法人遺品整理士認定協会「遺品整理士とは」 https://www.is-mind.org/about-seirishi/ (確認 2026-10-25)
- ※S67 消費者庁「ウェブサイト上で『お得な定額パック…』などの広告・表示をして不用品・粗大ごみ回収サービスを提供する事業者に関する注意喚起」(2022年6月1日) https://www.caa.go.jp/notice/entry/028878/ (確認 2026-10-25)
- ※S68 e-Gov 法令検索 貨物自動車運送事業法 第2条・第3条 https://laws.e-gov.go.jp/law/401AC0000000083 (確認 2026-10-25)